魯山山行 梅堯臣(ろざんのさんこう ばいぎょうしん)

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適興野情カナウ
千山高復低
好峰随處改
幽経独行迷
霜落熊升樹
林空鹿飲渓
人家在何許
雲外一声鶏

適(まさ)しく 野情にかない
千山高く また低し
好峰 随處に改たまり
幽経 独り行きて迷う
霜落ちて熊は樹に升(のぼ)り
林空しく鹿は渓(たに)に飲む
人家 何許(いずこ)にか在る
雲外 一声の鶏

現代語訳

自然の中を歩き回りたいという、私の今の気持ちにピッタリだ。
山々は高く、また時に低い。

すばらしい峰はあちこちで姿を変え、
道無き道を独り歩いているうちに、道に迷ってしまった。

霜が落ちて熊が樹の上に登り、
林には人気も無く鹿は谷川の水を飲んでいる。

人家はどこにあるのだろうか。
その時、雲の外から鶏の声が響いた。


梅堯臣(1002-1060)。字は聖兪。宣州宛陵(安徽省宣城市)の人。欧陽脩との交流、また門下から蘇軾王安石を出したことで知られます。

詩風は「平淡」を旨としました。晩唐からはじまった西崑体の表現の華麗さを追うのと反対の流れです。派手な演出はしない、ということです。

魯山の山中をワクワクしながら、歩き回っているのです。まさか一晩じゅう歩きとおして鶏が鳴いたということじゃないでしょう。(キケンすぎます)。

人家はどこだろうとさまよっていたら、はるか先から鶏の声がした、これは畜産を営む農家の存在です。ああ…人家ははるか遠いんだなぁという話でしょう。

「魯山」は河南省魯山県にある山。李白「廬山の瀑布を望む」に描かれた「廬山」とはまったく違います。
朗読:左大臣

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