望天門山 李白(てんもんざんをのぞむ りはく)
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望天門山 李白
天門中断楚江開
碧水東流至北廻
両岸青山相対出
孤帆一片日辺来
天門山を望む 李白
天門(てんもん) 中断して楚江(そこう)開き
碧水(へきすい) 東に流れ北に至って廻(めぐる
両岸(りょうがん)の青山(せいざん) 相対(あいたい)して出(い)で
孤帆(こはん)一片(いっぺん) 日辺(じつぺん)より来(きた)る
現代語訳
天門山がまっぷたつに裂けるように、その真ん中を貫いて楚江(長江)が流れている。
ずっと東に向けて流れてきた深緑の水は、ここで北に向きを変える。
両岸には青々とした山が向かい合って迫っている。
小さな小舟がたった一艘、太陽のところから下ってくる。
語句
■天門山 長江が安徽省から江蘇省に入る直前。安微省蕪湖近く。「博望山」と「梁山」の二つの山をあわせた言い方。この両山が長江の両岸にそそり立っていて、川下りの舟から見上げるると天に門が開けたようなので天門山という。 ■楚江 長江のこと。戦国時代にこのあたりは楚の領土だったため楚江という。
解説
李白53、4歳ころの作です。天門山は長江が安徽省から江蘇省に入る直前。安微省蕪湖近くにあり「博望山」と「梁山」の二つの山をあわせた言い方です。この両山が長江の両岸にそそり立っていて、川下りの舟から見上げると天に門が開けたようなので天門山といいます。楚江は長江のこと。戦国時代にこのあたりは楚の領土だったため楚江といいます。
雄大な長江の景色が浮かぶ詩ですね。
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