歩出夏門行 曹操(ほしゅつかもんこう そうそう)

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歩出夏門行 曹操
神龜雖壽
猶有竟時
騰蛇乘霧
終爲土灰
老驥伏櫪
志在千里
烈士暮年
壯心不已
盈縮之期
不但在天
養怡之福
可得永年
幸甚至哉
歌以詠志

歩出夏門行(ほしゅつかもんこう) 曹操(そうそう)
神亀(じんき)は寿(いのちなが)しといえども
なお竟(おわ)る時あり
騰蛇(とうだ)は霧(きり)に乗(じょう)ずるも
終(つい)には土灰(どかい)となる
老驥(ろうき)は櫪(れき)に伏すも
志(こころざし)は 千里にあり
烈士暮年(れっしぼねん)
壮心(そうしん)やまず
盈縮(えいしゅく)の期(き)は
但(ただ)に 天のみに在(あ)らず。
養怡(ようい)の福(ふく)は
永年(えいねん)を得(う)べし
幸(こう)甚(はなは)だ至(いた)れる哉(かな)
歌いて以(もっ)て志(ここざし)を詠(えい)ず

現代語訳

伝説上の亀は、きわめて長寿であるというが、
それでも命に終わりはある。

竜は霧に乗って舞い上がるというが、
最後は土くれになってしまう。

しかし千里を駆ける駿馬は、たとえ老いて馬屋にあっても
志は千里を駆け巡っている。

男児たるもの、年老いたからといって
熱い気持ちを止められるものではないのだ。

寿命の長い短いは、
ただ天のみが決めるわけではない。

みずから楽しみ幸福であるように心がければ、
長寿を得るだろう。

なんという幸いの極みか。
歌って、志を詠じよう。

語句

■神亀 伝説上の長寿の亀。 ■騰蛇 「騰」は空に上がる。伝説上の空に上がる蛇。 ■老驥 年老いた駿馬。 ■櫪 馬屋。 ■烈士 信念をつらぬく男児。 ■壮心 熱い気持ち。 ■盈縮 長短。屈伸。出たり引っ込んだりすること。 ■期 寿命。 ■不但在天 それを決めるのは天だけというわけではない。 ■養怡之福 自ら喜び幸福であるように心がけるならば。 ■可得 得ることができる。 ■永年 長寿。 ■幸甚至哉 はなはだ幸いの極みであるよ。 ■詠志 志を歌う。

解説

「歩出夏門行」という楽曲にあわせて作詞されたもので、詩の内容と題名は関係ないです。老いてますます盛ん。気合が入る詩です。

「烈士暮年壮心やまず」…この一節だけでも暗記しておくといいですね。

たとえば定年後、起業したい。ずっとサラリーマンやってきたけど、実はパン屋さんをやりたかったんだと。

でも俺にできるかな。失敗したら退職金もなんも失うな。…ああどうしよう。そんな時、

「烈士暮年壮心やまずッ!」

その言葉が背中をドーンと押してくれます。

曹操「短歌行」、毛沢東「沁園春 雪」も気合が入る詩ですので、聴いてみてください。

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朗読:左大臣光永

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