澄邁驛通潮閣 蘇軾

澄邁驛通潮閣
餘生欲老海南村
帝遣巫陽招我魂
杳杳天低鶻沒處
青山一髮是中原

澄邁駅の通潮閣
余生 老いんと欲す 海南の村
帝 巫陽をして 我が魂を招かしむ
杳杳として天低れ 鶻の沒する処
青山 一髮 是れ中原

現代語訳

私はこの海南島の村で余生を送り、
そのまま没する覚悟だった。

しかし天帝は巫女をつかわして
私の魂を呼び戻された!

はるか彼方、天が垂れ込めて
ハヤブサの姿が見えなくなるあたり。

一本の髪の毛のように見えるあの青い大陸こそ、
私の帰るべき中原なのだ!

解説

蘇軾は晩年、政争に破れ一時海南島に左遷されます。

この詩は左遷を解かれて本土に呼び戻される時、
海南島の北部の【澄邁駅】にある楼台【通潮閣】に登って、
詠んだものです。

【帝 巫陽をして 我が魂を招かしむ】、
『楚辞・招魂』に見える、天帝が巫女をつかわして
屈原の魂を呼び戻した話によります。

蘇軾は自分を古代の忠臣屈原と重ねているのです。

屈原の詩です。
屈原「湘夫人」

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