柳州二月榕樹葉落尽偶題 柳宗元

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柳州二月榕葉落尽偶題 柳宗元
宦情覊思共凄凄
春半如秋意転迷
山城過雨百花尽
榕葉満庭鶯乱啼

柳州二月(りゅうしゅうにげつ) 榕葉(ようよう) 落(お)ち尽(つ)くし 偶(たまたま)題(だい)す 柳宗元(りゅうそうげん)
宦情(かんじょう) 覊思(きし) 共(とも)に凄凄(せいせい)たり
春半(はるなか)ばにして秋(あき)の如(ごと)く 意(い) 転(うた)た迷(まよ)う
山城(さんじょう) 雨過(あめす)ぎて百花(ひゃっか)尽(つ)き
榕葉(ようよう) 庭(にわ)に満(み)ち 鶯(うぐいす)乱(みだ)れ啼(な)く

現代語訳

役人としての窮屈さ、旅の途上にあることから来る憂い。
どちらも侘しい限りだ。

まだ春半ばだというのに、秋のような気候だ。
どうにも落ち着かない。

この田舎町を雨が通りすぎて、花は落ちつくしてしまう。
ただ榕樹の葉だけが庭に満ち、鶯がさかんにさえずっている。

語句

■柳州 広西省壮(チワン)族自治区柳州市。 ■官情 役人としての窮屈な気持ち。 ■羇思 旅をしているしみじみとした思い。旅愁。 ■凄凄 悲しく痛ましいさま。 ■山城 田舎町。 ■榕葉 「榕」はガジュマルの漢名。クワ科の常緑喬木。南方に生える。

……左遷先でのわびしい感じです。

朗読:左大臣光永

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