霊澈上人を送る 劉長卿

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送霊澈上人 劉長卿
蒼蒼竹林寺
杳杳鐘声晩
荷笠帯夕陽
青山独帰遠

霊澈上人(れいてつしょうにん)を送(おく)る 劉長卿(りゅうちょうけい)
蒼蒼(そうそう)たる竹林寺(ちくりんじ)
杳杳(ようよう)たる鐘声(しょうせい)の晩(ばん)
笠(かさ)を荷(にな)って夕陽(ゆうひ)を帯(お)び
青山(せいざん)に独(ひと)り帰(かえ)ること遠(とお)し

現代語訳

鬱蒼と茂った竹林の中の竹林寺。

はるか遠くから鐘の音が響いてくる、
そんな深く暗い晩のこと。

笠を背中に負って夕陽の光をまとい、
青々とした山に一人帰っていく霊澈上人。
その後ろ姿はしだいに遠のいていく。

語句

■霊澈上人 当時有名だった詩僧。 ■竹林寺 江蘇省鎮江市の古刹。 ■杳杳 深く暗いさま。

解説

劉長卿(709?-785?)。字は文房。河間の人。733年の進士。
性剛直で権力者に逆らったため一時投獄される。
五言句を得意とし、「五言の長城」と称せられた。

飄然とした僧の後姿が目にうかぶようで、大好きな詩です。
「鐘声の晩」といえば張継「楓橋夜泊」を思い出さずにはいられません。

朗読:左大臣光永

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