建徳江に宿す 孟浩然(けんとくこうにしゅくす もうこうねん)

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宿建徳江
移舟泊烟渚
日暮客愁新
野曠天低樹
江清月近人

建徳江(けんとくこう)に宿(しゅく)す
舟を移して煙渚(えんしょ)に泊(と)まれば
日暮れて 客愁(かくしゅう)新たなり
野は曠(ひろ)く 天は樹(き)に低(た)たれ
江(こう)は清く 月は人に近し

現代語訳

舟を移して川霧の立ち込める渚に宿をとれば、
日が暮れて、旅の愁いがあらためて胸に迫る。

野は広々として、天は木々にたれかかるよう。
江は清らかで月は手が届くほど近くに見える。

語句

■建徳江 江南地方、建徳市を流れる川。川霧で知られる。 ■煙渚 川霧の立ち込める渚。 ■客愁 旅の愁い。 ■新 あらためて。

解説

「春眠暁を覚えず」(「春暁」)で知られる、孟浩然のこれも代表作です。雄大な景色で大好きです。

「野」「天」「江」「月」の4連発。いいですね♪ここがカッコいいところですから、注意して朗読しました。

旅愁をあつかった漢詩といえば、「楓橋夜泊」は欠かせません。

楓橋夜泊
↑こちらで朗読しています。

日本で旅愁の詩といえばなんといっても島崎藤村「千曲川旅情の歌」でしょう。

建徳江は川霧が激しいので有名です。同じく川霧で知られる日本の宇治川を詠んだ和歌として……
朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木
(百人一首64番)

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朗読:左大臣光永

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