江陵愁望有寄 魚玄機

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江陵愁望有寄 魚玄機
楓葉千枝復万枝
江橋掩映暮帆遅
憶君心似西江水
日夜東流無歇時

江陵(こうりょう)の愁望(しゅうぼう) 寄(よ)する有(あ)り 魚玄機(ぎょげんき)
楓葉千枝(ふうようせんし) 復(ま)た万枝(ばんし)
江橋(こうきょう)に掩映(えんえい)して暮帆(ぼはん)遅(おそ)し
君(きみ)を憶(おも)えば心(こころ)は西江(せいこう)の水(みず)に似(に)たり
日夜(にちや) 東(ひがし)に流(なが)れ歇(や)む時(とき)無(な)し

現代語訳

幾千幾万にも重なった楓の枝葉が
橋の上を覆っています。

夕暮れ時、あなたはまだお帰りになりません。

あなたのことを思うと、心は西江の水のよう。
昼も夜も絶え間なく、東に向けて流れ続けるのです。

語句

■江陵 長江下流域。 ■愁望 愁いに沈んだ気持。 ■江橋 川にかかった橋。 ■掩映 覆い隠すこと。 ■暮帆 夕暮れの船の帆。夫の帰りを象徴。 ■西江 中国南部、華南地区を流れる川。黄河、長江につぐ大河。

解説

魚玄機(843-868)。晩唐の女流詩人。字は幼微。長安の人。
森鴎外の小説「魚玄機」に描かれています。

夫を待つ妻の気持ちを歌っています。

次の漢詩「秋怨 魚玄機

朗読:左大臣光永

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