戴老酒店 李白

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戴老酒店 李白
戴老黄泉下
還應醸大春
夜臺無李白
沽酒與何人

戴老酒店(たいろうさけてん) 李白
戴老(たいろう)は黄泉(こうせん)の下にて
還(な)お応(まさ)に大春(たいしゅん)を醸(かも)すなるべし
夜台(やだい)に李白無きに
何人(なんびと)に酒を沽(う)り与(あた)う

現代語訳

タイじいさんはあの世でも
やっぱり「大春」の酒を作っているだろうな。
あの世には李白はいないのに、
誰に酒を売り、与えるというのだろう。

語句

■戴老 戴という名のじいさん。 ■黄泉 あの世。冥途。 ■大春 酒の銘柄。 ■夜台 あの世。 ■還応 やっぱり。

解説

李白の行きつけの酒場の、酒作りのじいさんが死んでしまったのです。あんなに酒を飲ませてくれたタイじいさん。タイじいさんの作る「大春」のうまかったこと…。その時、李白の脳裏をよぎります。タイじいさんが、あの世でも黙々と酒を造っている姿が。短くあっけない詩ですが、忘れられない印象を残します。李白のあたたかな人情味が伝わってきます。

朗読:左大臣光永

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