閨怨 王昌齢(けいえん おうしょうれい)

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閨怨 王昌齢
閨中少婦不知愁
春日凝粧上翠樓
忽見陌頭楊柳色
悔教夫壻覓封侯

閨怨(けいえん) 王昌齢(おうしょうれい)
閨中(けいちゅう)の少婦(しょうふ) 愁(うれ)いを知らず
春日(しゅんじつ) 粧(よそお)いを凝(こ)らして翠樓(すいろう)に上(のぼ)る
忽(たちま)ち見る 陌頭(はくとう) 楊柳(ようりゅう)の色(いろ)
悔(く)ゆらくは 夫壻(ふせい)をして封侯(ほうこう)を求めしめしを

現代語訳

深い寝室に守られている若妻には、愁いというものが無い。
春の日、化粧を凝らして美しい楼台に登る。

ふと、目に入ったのは道端に青々と芽吹いた柳の色。
それを見て思い出した。出世させるため夫を遠征に送り出したのだ。いまさらながら悔やまれる。

語句

■閨怨 「閨」は女性の部屋。妻が、夫を送り出して独り残され、寝室で嘆き悲しんでいること。 ■少婦 若い妻。 ■翠樓 美しい楼。 ■忽見 ふと目に入ること。 ■陌頭 「陌」は道。「頭」はほとり。 ■楊柳 中国では別れの象徴。 ■悔 以下の内容を悔いるということ。 ■夫壻 夫。 ■求封侯 戦果を上げて大名として取り立てられてほしいと、妻が夫に願った。

解説

閨怨】は、遠征に夫を送りしだして、妻は独り残されている。その妻が嘆き悲しむ歌です。

しかしこの歌は「愁いを知らず」と歌い始めます。【嘆き】とは正反対のところから始まってます。それが、この詩の意外性です。

ところが道端の柳が目に留まった。そこで、夫を遠征に送り出すときに柳の枝を手折って渡したっけ。ああ…夫は今頃どうしてるかしらと、思い出すのです。

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朗読:左大臣光永

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