越中覧古 李白(えっちゅうらんこ りはく)

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越中覽古 李白
越王勾踐破呉歸
義士還家盡錦衣
宮女如花滿春殿
只今惟有鷓鴣飛

越中覧古(えっちゅうらんこ) 李白
越王勾踐(えつおうこうせん) 呉を破って帰る
義士(ぎし) 家に還るに尽(ことごと)く錦衣(きんい)す
宮女(きゅうじょ) 花の如く春殿(しゅんでん)に満つ
只今(ただいま) 惟(た)だ鷓鴣(しゃこ)の飛ぶ有るのみ

現代語訳

越王勾踐は呉を破って会稽の恥をすすぎ、故郷に戻ってきた。

従っていた将兵たちはそれぞれ故郷に錦を飾った。

春の宮殿には女たちが花のように満ち溢れた。

今はただ、荒れ果てた地に鷓鴣が飛んでいるだけである。

語句

■越中 越国の国都、会稽。 ■鷓鴣 キジ科の鳥。

解説

【越王勾踐】は【呉王夫差】に会稽の地で破れ、屈辱的な和議を結ばされます。

勾踐はその屈辱を忘れず、22年の時を経て呉王夫差を打ちました。

「臥薪嘗胆」「会稽の恥を雪ぐ」の故事成語で知られます。<

この詩は越王勾踐の歴史ロマンにひたっているのです。

「そういう歴史がある場所だが今は…」ということです。
奥の細道「平泉」に通じるものがあります。

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朗読:左大臣光永

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