惜春 杜牧

惜春 杜牧

春半年已除
其餘強為有
即此醉残花
便同嘗臘酒
悵望送春盃
殷勤掃花箒
誰為駐東流
年年長在手

春を惜しむ 杜牧

春半ばにして 年已に除(じょ)す
其の餘(よ)は強いて 有りと為す
即(すなわ)ち此(ここ)に 残花に醉い
便(すなわ)ち同(とも)に 臘酒(ろうしゅ)を嘗めん
悵望(ちょうぼう)たり 春を送る盃
殷勤(いんぎん)たり 花を掃(はら)う箒(ほうき)
誰(た)か為に 東流(とうりゅう)を駐(とど)めて
年年(ねんねん) 長(とこし)えに手に在らしめんや

春を惜しむ
春も半ばになると、もう一年の見どころは過ぎ去ってしまったようなもの。
それ以降は、ただ存在しているだけと言える。
さあここに散りゆく花を惜しみながら酔い、
さあ一緒に暮れに仕込んだ酒を味わおう
春を送る盃に、深い嘆きが押し寄せる。
花を掃う箒にも、思わず親愛の情がこもる。
誰か私のために東に流れる水の流れを止めて、
毎年、春を永遠に手にあらせてはくれないものか。

■除 去る。 ■残花 散りゆく花。 ■即・便 さっそく。すぐに。 ■臘酒 昨年の暮れ(臘月=12月)に仕込んでおいた酒。 ■悵望 深い悲しみに沈む。 ■殷勤 心から親しみを覚える。 ■東流 東に流れる水。「川上の嘆(せんじょうのたん)」論語「子在川上曰、「逝者如斯夫。不舎昼夜」」による。過ぎゆく時の流れを象徴する。

行く水と過ぐる齢と散る花といずれ待ててふことをきくらむ(『伊勢物語』)

朗読:左大臣光永

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