梅花 ユ信

■【中国語つき】漢詩の朗読を聴く
■【古典・歴史】メールマガジン
■【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル

当年蝋月半
已覚梅花闌
不信今春晩
倶来雪裏看
樹動懸氷落
枝高出手寒
早知覓不見
真悔著衣単

当年 蝋月半ばにして
已に覚ゆ梅花の闌なるを
信ぜず 今春の晩きを
倶に来って雪裏に看る
樹動いて懸氷落ち
枝高くして手を出だせば寒し
早に覓ぬるも見えずと知らば
真に着衣の単なるを悔ゆ

現代語訳

かつて江南にいた頃は、十二月の半ばには
もう梅の花の盛りを感じたものだ。

まさかこんなに春の到来が遅いとは思わないので、
友人と一緒に雪の中の梅見にやってきた。

しかし木が揺れるとツララが落ちるし、
高い枝に手を伸ばすと寒くてたまらない。

こんなに早く来てもムダだと前もってわかっていたらなあ。
まったく…こんな薄着で来るんじゃなかった。

解説

まだまだ梅見には早すぎたんですね。
漢詩でも和歌でも、梅は多く詠まれています。

詩に詠まれることが最も多い花ではないでしょうか。

【当年】は「昔」。 【蝋月】は旧暦の十二月。

ユ信は南北朝時代の詩人。杜甫「春日李白を憶う」の中で、李白の詩の清新さをたとえるのに「ユ信の詩のようだ」と歌われています。

ほかに梅を詠んだ漢詩…
新島襄「寒梅」徳川斉昭「弘道館に梅花を賞す」

次の漢詩「人日思帰 薛道衡

朗読:左大臣光永

■【中国語つき】漢詩の朗読を聴く
■【古典・歴史】メールマガジン
【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル