登幽州台歌 陳子昂(ゆうしゅうだいにのぼるのうた ちんすごう)

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登幽州台歌 陳子昂
前不見古人
後不見来人
念天地之悠悠
独愴然而悌下

幽州台(ゆうしゅうだい)に登(のぼ)るの歌(うた) 陳子昂(ちんすごう)
前(まえ)に古人(こじん)を見(み)ず
後(あと)に来者(らいじゃ)を見(み)ず
天地(てんち)の悠悠(ゆうゆう)たるを念(おも)い
独(ひと)り愴然(そうぜん)として悌下(なみだくだ)る

現代語訳

私の前に古人は無く、
私の後に来る者も無い。

天地がどこまでも広がっていることを思い、
独り悲しみに心痛め、涙が流れてくる。

語句

■幽州台 北京市の北にあった高楼。 ■古人 手本としてその跡をたどるべき先人。 ■来者 あとに続いてくる者。 ■悠悠どこまでも広がっているようす。 ■愴然 悲しみに心をいためるさま。

解説

陳子昂(661-702)。字は伯玉。四川省射浩の人。18歳までろくに字も読めなかったが一念発起して24歳で科挙に合格。右拾遺に任じられます。

この詩は契丹討伐戦に参謀として参加した時のものです。策を提案しても上から用いられない、そのやるせない気持ちを歌っています。

「楼に登る」は漢詩では普遍的なテーマです。鸛鵲楼に登る(王之渙)岳陽楼に登る(杜甫)などが有名です。

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朗読:左大臣光永

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