山亭夏日 高駢(さんていのかじつ こうべん)

山亭夏日
綠樹陰濃夏日長
楼台倒影入池塘
水精簾動微風起
一架薔薇満院香

山亭の夏日
綠樹 陰濃(こまや)かにして 夏日 長し
楼台 影倒(さかしま)にして 池塘(ちとう)に入る
水精(すいしょう)の簾(れん) 動いて 微風起こり
一架の薔薇(しゃうび) 満院 香(かんば)し

現代語訳

木々の緑は濃い陰を落とし、夏の日は長い。
高殿は池の水に逆さまに影を映している。

水晶でできた簾が動いてかすかな風が起こり、
棚に置いてあった薔薇の香りが部屋じゅうに満ちた。

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解説

いいですね。夏の一日をこんな風流に、爽やかに、過ごせたら最高と思います。 水晶の簾、えらい涼しげな音を立てそうです。

【山亭】は山にある別荘のこと。やっぱりこんな風流を味わうには貴族で別荘でないといけないんです。うらやましい。

【池塘】は池。朱熹「偶成」に見える、「いまだ覚めず池塘春草の夢」という一節が有名です。

【綠樹陰濃】 緑の樹の木陰が濃い。 【夏日長】 夏の昼間は長い。
【倒影】 さかさまに映っている。 【池塘】 池。

【水精簾】 水晶のすだれ。 【一架】 ひとつの棚。
【薔薇】 しょうび。バラ。 【満院】 部屋じゅう。

高駢(こうへん・こうべん)(?-887)は晩唐の詩人。字は千里。幽州(現・河北省)の人。文武両道にすぐれた人物で渤海郡王にまでなりましたが、最期は部下に殺されました。

朗読:左大臣