山中問答 李白(さんちゅうもんどう りはく)

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問余何意棲碧山
笑而不答心自閑
桃花流水杳然去
別有天地非人間

余に問ふ 何の意ぞ碧山に棲むと
笑って答えず 心自から閑なり
桃花流水 杳然として去る
別に天地の人間に非ざる有り

現代語訳

「どういう気持ちでこんな緑深い山奥に住んでいるのか」
人が私に尋ねる。

私は笑うばかりで答えない。
心はどこまでものびのびしている。

桃の花びらを浮かべ、水はどこまでも流れていく。
ここは俗世間とは違う、別天地だ。

解説

陶淵明の影響のもとに作られた詩です。世捨て人精神に溢れ、すばらしいです。

しかもこの主人は、こういう脱俗の暮らしを都会人に押し付けようとはしていない。「笑って答えず」ここが、いいですね。

あんた田舎はいいよ。山中の暮らし最高だよなんてムキになって語る必要はないんです。

俗世間にも脱俗にも、それぞれ幸福がある。主人はそれをちゃんと知ってるんですな。だから押し付けない。「笑って答えず」なんでしょう。

この晩は風が凪いでいて、いい感じで録音できました。すでに夏で、虫がいっぱい鳴いていますが、風流なモノとして聴いてください。

【碧山】 緑深い山奥。 【心自閑】心はどこまでものびのびしている。
【人間】 人の世。俗世間。良寛「半夜」「人間是非一夢中」

陶淵明「飲酒」…「菊を采る東籬の下悠然として南山を見る」で有名な詩です。この「山中問答」に通じる精神があります。

朗読:左大臣

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