対酒 白楽天(さけにたいす はくらくてん)

対酒
蝸牛角上争何事
石火光中寄此身
随富随貧且歓楽
不開口笑是痴人

酒に対す
蝸牛角上 何事をか争う
石火光中 この身を寄す
富に随い貧に随いて且く歓楽せん
口を開いて笑わざるは是痴人

現代語訳

カタツムリの角の上のような狭い世界で何をそんなに争うのだ。

一瞬のきらめきような、短い人生に身を寄せているのだ。
富める者も貧しい者も、おのおの楽しもうではないか。

押し黙っているのはバカというものだ。

スポンサーリンク

解説

蝸牛角上の争い」は、『荘子』に見える故事です。カタツムリの右の角の上に触氏、左に蛮氏という国があって、互いに争っていた。

バカらしいと思いますか?思いますよね。では私たちの国だって宇宙から見たらなんぼのもんですか。

そう言って、王に戦争する愚を説いた、という話です。

カタツムリの角の上でウォーウォーと雄たけびをあげて合戦してる図は、想像すると微笑ましいものがあります。

白楽天の作品は日本でもたいへん愛され、平安貴族の間では基本的な教養でした。 「長恨歌」「香炉峰下 新たに山居を卜し草堂初めて成り 偶東壁に題す」などが有名です。

朗読:左大臣