赴洛道中作 陸機(らくにおもむくどうちゅうのさく)

赴洛道中作
遠遊越山川
山川脩且廣
振策陟崇丘
案轡遵平莽
夕息抱影寐
朝徂銜思往
頓轡倚嵩巌
側聴悲風響
清露墜素輝
明月一何朗
撫枕不能寐
振衣獨長想

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洛に赴く道中の作
遠く遊びて山川を越えれば
山川は脩く且つ廣し
策を振げて崇丘に陟り
轡を案えて平莽に遵う
夕に息いて影を抱いて寐ね
朝に徂きては思を銜みて往く
轡を頓めて嵩巌に倚り
側てて悲風の響を聴く
清露には素輝の墜ち
明月は一に何ぞ朗かなる
枕を撫して寐ぬる能はず
衣を振るいて獨り長く想う

現代語訳

山川を越えてはるばると旅している。 山川は長く、広い。

鞭をふるって高い山に登ったり、
手綱をゆるめて草原を駆けたりする。

夜は自分の影法師を抱いて休み、
朝は憂鬱な思いを抱いて出発する。

馬から降りて切り立った岩に寄りかかり、
耳をすまして悲しげな風の音を聞く。

透き通った露が白い光を落とす。
月の光はどうしてこんなに明るいのだろうか!

机に寄りかかったまま寝付けずにいる。
着物を身に着け、外に出て、長く物思いに沈むのだ

解説

夜の雰囲気が、たまらない詩です!
水墨画のような景色が目の前にジワッと広がります!

陸機(261-303)。士衡。江蘇省の人。『三国志』の登場人物、陸遜の孫です。弟の陸運と共に 文才を高く評価されました。

呉が滅びて後、晋の都洛陽に入り重用されるも、「謀反の疑いあり」と讒言され、殺されました。

池袋の貸しスタジオで録音しました。一時間600円くらいです。
しっかり吸音材がしきつめてある環境だけあって、いい音です。
隣で声楽とかピアノやってたら、さすがに厳しいですが。

ヘッドホンでモニターしてる段階でもう、かなりいい音に聞こえるので、
気分が高揚します。

ほかに【夜】を歌った詩 ≫
李白「子夜呉歌」「春夜洛城に笛を聞く」、梅堯臣「夜、隣家の唱うを聴く」
高適「除夜の作」

朗読:左大臣