九日斉山登高 杜牧(きゅうじつせいざんにとうこうす とぼく)

九日斉山登高
江涵秋影鴈初飛
与客携壺上翠微
塵世難逢開口笑
菊花須挿満頭帰
但将酩酊酬佳節
不用登臨恨落暉
古往今来只如此
牛山何必独霑衣

九日斉山に登高す
江は秋影を涵(ひた)して 鴈初めて飛び
客と壺を携えて 翠微に上る
塵世 逢い難し 開口の笑い
菊花 須く満頭に挿して帰るべし
但だ酩酊を将(もっ)て佳節に酬いん
用いず 登臨して落暉を恨むを
古往今来 只だ此くの如し
牛山 何ぞ必ずしも 涙衣を霑(うるお)さん

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現代語訳

川の水は秋の景色を映し、初雁が飛んでいる。
そんな中、客人と二人、トックリを下げて青々とした山に上る。

このせちがらい世の中では、大口を開けて笑えることなど滅多に無い。
せめて今日くらいは菊の花を頭いっぱいに挿して帰ろうよ。

めいっぱい酔ってこの節句を楽しもう。
高台に上って夕陽を見てたそがれる?そんなのはつまらんことだ。

どうせ昔から世の中こんなもんだ。
牛山で涙に衣を浸した昔の人の気がしれないですよ。

解説

王維「九月九日山東の兄弟を憶う」と同じく、九月九日重陽の節句のことを歌ってます。この日、中国では高台に上って頭に菊花やシュユの花を挿して邪気払いのために菊酒を飲む習慣がありました。

ウツウツとして、ままならない毎日なんだ、せめてこの日くらいはワッと楽しくいきましょうやという詩です。

「牛山」は山東省南部にある山です。春秋時代の斉の景公がこの山に登り、自分が治める国土を見下ろして、「なぜこの美しい国土を捨てて死んでいかないといけないのか!」と言って嘆いたといいます。

そりゃ国のトップにいて何でもやり放題なら、さぞ長生きもしたかったでしょう。

王維「九月九日山東の兄弟を憶う」
↑こちらもぜひ聴いてみてください!有名かつ、とてもよい詩なので!!

朗読:左大臣