琴を弾ずるを聴く 劉長卿
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聽彈琴 劉長卿
泠泠七弦上
靜聽松風寒
古調雖自愛
今人多不彈
琴(きん)を弾(だん)ずるを聴(き)く 劉長卿(りゅうちょうけい)
泠泠(れいれい)たり 七絃(しちげん)の上(うえ)
静(しず)かに 松風(しょうふう)の寒(さむ)きを 聴(き)く
古調(こちょう) 自(めずか)ら愛(あい)すべしと雖(いえど)も
今人(こんじん) 多(おお)くは弾(だん)ぜず
現代語訳
七弦の琴の奏でる清らかな音色に耳を傾ける。
静かに聴いていると、寒々とした松風の響きのように快い。
こういう伝統的な調べは実に愛すべきものだが、
今の人はあまり弾かないのだ。
語句
■泠泠 清らかであること。 ■七絃 中国の琴は七弦。 ■
解説
琴の音色が響いてきそうな詩です!
同じく琴の音が印象的な作品として…王維「竹里館」は、竹林の中で琴を奏でて風流のきわみです。
『平家物語』「小督」の章では、琴の音が物語の鍵になっています。「峰の嵐か松風か…」ではじまる名文が、よく知られています。
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朗読:左大臣光永