独坐敬亭山 李白(ひとりけいていざんにざす りはく)

独坐敬亭山 李白
獨坐敬亭山
衆鳥高飛盡
孤雲獨去閒
相看兩不厭
只有敬亭山

独坐敬亭山 李白
獨(ひと)り敬亭山(けいていざん)に坐(ざ)す
衆鳥(しゅうちょう) 高く飛んで盡(つ)き
孤雲(こうん) 独(ひと)り去って閑(かん)なり
相看(あいみ)て両(ふた)つながら厭(いと)わざるは
只(ただ)敬亭山(けいていざん)あるのみ

敬亭山

現代語訳

たくさん飛んでいた鳥たちも空高く飛び去り、
たった一つ浮かんでいた雲も流れさってしまった。
今はひたすら静かだ。

こうして向かい合っていて飽きが来ないのは、
ただ敬亭山だけである。

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語句

■敬亭山 安徽省宣城の北にある景勝地。李白が尊敬していた南北朝時代の詩人謝朓がしばしば登った。 ■閒 ゆったりおちついて、静かなこと。 ■両 ふたつとも。両方。李白と山という説、山と雲という説がある。

解説

敬亭山は安徽省宣城の北にある景勝地。前の詩「宣州の謝朓樓にて 校書叔雲に 餞別す」と同じく、南北朝時代の詩人謝朓に関係しています。謝朓は敬亭山にしばしば登ったことがありました。李白は謝朓の足跡を訪ねてこの地を訪ねたのです。

山を見て向かい合う李白。はあ…いくら見ていても飽きないなあ。

ようは、それだけの詩ですが、文字に注目してください。「独」「尽」「孤」「独」「去」…思いつめたような言葉が並んでいますね。李白も長安を追われたことで、色々悩んでいたのかもしれません。

関連

李白の詩で山を詠んだものといえば他に「廬山の瀑布を望む」「天門山を望む」があります。

ほかに山中の隠居生活を歌った詩は…
王維「竹里館」李白「山中問答」王安石「鍾山即時」良寛「半夜」

朗読:左大臣