客中行 李白(かくちゅうこう りはく)

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客中行 李白
蘭陵美酒鬱金香
玉椀盛來琥珀光
但使主人能酔客
不知何處是他郷

客中行 李白
蘭陵の美酒 鬱金香
玉椀 盛り来たる 琥珀の光
但 主人の能く客をして酔わしめば
知らず何れの處か是れ他郷

蘭陵

現代語訳

蘭陵の美酒は鬱金香の香りを漂わせ、
玉の碗に注がれて琥珀の光を放っている。

ただ主人が私をたっぷり酔わせてくれれば
それでよいのだ。

そこが異郷の地か、住み慣れた場所か、
そんなことはどうでもよいのだ。

語句

■客中行 「旅先でつくった歌」。「行」=「歌」。 ■蘭陵 中国山東省の地名。酒の産地として知られた。 ■鬱金香 西域で採れる香りのある草。またその草から取った香料。ここでは鬱金香のようなよい香りをする酒という説と、香料を加えて香りをよくした酒という説がある。 ■他郷 異国。

解説

任官活動を続ける李白が、立ち寄った山東省の村で詠んだ詩です。おそらく居酒屋の壁に書き付けたものでしょう。客中行は「旅先でつくった歌」の意味で、「行」が「歌」です。蘭陵は中国山東省の地名で。酒の産地として知られていました。鬱金香は西域で採れる香りのある草。またその草から取った香料です。

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李白の酒呑みっぷりが前面に出ていて素敵です。

酒さえありゃあ、世界中どこ行っても我が家なんだよと。いいですね。素晴らしい。私も酒呑みとしてこの思想には、たいへん、共感します。

次の漢詩「金陵城西樓月下吟

朗読:左大臣光永

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