擬古 陶淵明(いにしえにぎす とうえんめい)
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擬古
日暮天無雲
春風扇微和
佳人美清夜
達曙酣且歌
歌竟長嘆息
持此感人多
皎皎雲間月
灼灼葉中華
豈無一時好
不久当如何
古を擬す
日暮れて天に雲なく
春風は微和に扇ぐ
佳人 清夜を美しとし
曙に達(いた)るまで酣(たの)しんで且つ歌う
歌竟(おわ)って長嘆息し
此を持て人を感ぜしむること多し
皎皎(きょうきょう)たり 雲間の月
灼灼たり 葉中の華
豈に一時の好なからんや
久しからざるは当に如何すべき
現代語訳
日は暮れて空には雲一つ無く、
春風はそよそよとそよいでくる。
一人の美人がこのさわやかな夜に興じて、
明け方まで楽しんで歌っている。
歌が終わって長い溜息を尽く。
その姿を見て人々は美しさにゾクッとする。
雲の合間には月が煌々と輝いている。
草葉の合間には花が燃え立つように咲いている。
この美しい夜も美しい女性も…
どうして永遠ではないのか。
それだけが惜しまれる。
解説
さわやかな春の夜の雰囲気。そして美人が歌っている。
詩の道具立てとして、もうこれ以上無い!
それくらいそろっていますね。
まあ、録音したのは夏のさなかなんですが。
この日はたまたま雨が降った後でやや風があり、
セミも鳴いてませんでした。
いつセミが鳴きだすかとビクビクしながら
録音しました。
春の夜を歌った詩では、蘇軾「春夜」と王安石「夜直」が代表選手です。
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