李白一斗詩百篇(「飲中八仙歌」杜甫)

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李白一斗詩百篇
長安市上酒家眠
天子呼来不上船
自称臣是酒中仙

李白一斗詩百篇、
長安市上酒家に眠る。
天子呼来たれども船に上らず、
自ら称す臣は是酒中の仙と。

現代語訳

李白は酒を一斗呑むごとに百篇の詩を作る。

ある日李白が長安の居酒屋で飲んだくれて眠っていると、
陛下からのお召しがあった。

李白はしかし千鳥足で舟遊びの舟に乗ることが出来ない。
そして言った。自分のことを「酒中の仙人でございます」と。

解説

「李白一斗詩百篇」…杜甫が李白を評した言葉として有名です。「飲中八仙歌」と題して、当時の酒飲み八人の飲みっぷりを描いた連作の詩の中の一篇です。

賀知章、汝陽王李シン、李適之、崔宗之、蘇晋、李白、張旭、焦遂がその八人です。

李白は四十歳を過ぎてその才能を玄宗皇帝に認められ、宮廷詩人として活躍することになるのですが、こんなふうにマイペースで権力に媚びるのを嫌ったようです。

ある日に玄宗が楊貴妃と舟遊びをするというので李白を呼び出すと、李白はぐでんぐでんに酔っ払っていて、宦官の高力士に靴を脱がせます。

高力士はこれを屈辱に思い、後に李白が楊貴妃を歌に詠んだとき、その文句に玄宗を侮辱した部分ががあると難癖をつけます。李白はこうして左遷されるのです。

この高力士ですが、名前は「金剛力士」からつけられたそうです。勇ましい名前のわりにやることがイジケてます。

「自ら称す臣は是酒中の仙と」最後のこの部分が好きです。いかにも李白がカッコつけて言ってる感じ人を食った感じで読みました。最後の「と」はいらないっちゃいらないんですが、あったほうが締まりがつくと思います。

また、この語り部は杜甫なので「まったく先輩は困ったものだ」とか、「でもあの才能にはとても適わないなあ」など、色々な感情が去来する、そんなことも考えながら朗読しました。

けっこう国道から離れた寺の境内で録音したのですが、電車の音がするのと病院が近いので救急車の音がキビシイです。寺の方は「あ、いつもご苦労さま」などと声をかけてくださり、たいへん心がなごみます。

【斗】は容積の単位。中国では時代によってその量は異なる。
【酒家】は居酒屋。杜牧「清明」に「借問酒家何處有」と。

朗読:左大臣

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