晩泊岳陽 欧陽修(ばんにがくようにとまる おうようしゅう)

臥聞岳陽城裏鐘
繋舟岳陽城下樹
正見空江明月来
雲水蒼茫失江路
夜深江月弄清輝
水上人歌月下帰
一キ聲長聴不盡
軽舟短楫去如飛

臥して聞く 岳陽城裏の鐘
舟を繋ぐ 岳陽城下の樹
正に見る 空江に明月の来たるを
雲水 蒼茫として江路を失う
夜深くして 江月 清輝を弄し
水上 人は歌って月下に帰る
一キの声長くして聴けども尽きず
軽舟 短楫 去って飛ぶが如し

現代語訳

舟に寝転がって岳陽城裏の鐘の音を聞く。
舟は岳陽城下の樹に繋いでいるのだ。

その時、江上の空に明月が見えてきた。
雲と水はどこまでも広がり、果てが知れない。

夜は深く、江上の月は清らかに輝く。
水上で人が歌いながら月の下を帰っていく。

その歌の語尾が長引いて、いつまでも尽きない。
それを聞いているうちに、小さな舟は短い櫂で飛ぶように行ってしまった。

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解説

夜、舟で旅しているという主題は張継「楓橋夜泊」に通じるものですが、風景だけでなく人物が見えるところがポイントです。

欧陽修(1007-1072)。字は永淑。吉州廬陵(現在の江西省吉安県)の人。王安石蘇軾らの人材を見出した人物。

【岳陽】は【岳陽楼】のある景勝の地。現湖南省。杜甫「登岳陽楼」が有名です。

朗読:左大臣