梅花 ユ信

当年蝋月半
已覚梅花闌
不信今春晩
倶来雪裏看
樹動懸氷落
枝高出手寒
早知覓不見
真悔著衣単

当年 蝋月半ばにして
已に覚ゆ梅花の闌なるを
信ぜず 今春の晩きを
倶に来って雪裏に看る
樹動いて懸氷落ち
枝高くして手を出だせば寒し
早に覓ぬるも見えずと知らば
真に着衣の単なるを悔ゆ

現代語訳

かつて江南にいた頃は、十二月の半ばには
もう梅の花の盛りを感じたものだ。

まさかこんなに春の到来が遅いとは思わないので、
友人と一緒に雪の中の梅見にやってきた。

しかし木が揺れるとツララが落ちるし、
高い枝に手を伸ばすと寒くてたまらない。

こんなに早く来てもムダだと前もってわかっていたらなあ。
まったく…こんな薄着で来るんじゃなかった。

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解説

まだまだ梅見には早すぎたんですね。
漢詩でも和歌でも、梅は多く詠まれています。

詩に詠まれることが最も多い花ではないでしょうか。

【当年】は「昔」。 【蝋月】は旧暦の十二月。

ユ信は南北朝時代の詩人。杜甫「春日李白を憶う」の中で、李白の詩の清新さをたとえるのに「ユ信の詩のようだ」と歌われています。

ほかに梅を詠んだ漢詩…
新島襄「寒梅」徳川斉昭「弘道館に梅花を賞す」

朗読:左大臣